|
『 リスクの嫌いな日本人、好きなアメリカ人』

日本人はリスクが嫌いだ。先物取引など最たるもので、リスクがあるから自分はやらないと言い切る人がまだまだ多い。
小生にも数は少ないがアメリカ人の友人がいる。その友人が言うことには、アメリカ人も当然のこと、資産運用の時には金融商品のリスクを徹底研究する。そしてここにリスクの無い、或いは少ない商品があったとする。 するとアメリカ人は「だったらそれはやらない」と答えるそうだ。何故だかわかるかい?

リスクとリターンは裏表一体、リスクが大きければリターンもそれだけ期待出来、リスクが少なければリターンも期待薄というのは誰でもわかること。だったら自分の才覚で資産を運用して増やそうという時にリターンの少ない商品を選ぶはずがない。当然のことだ。
リスクを嫌がる国民性ゆえに、「先物取引より株の方がまだリスクが少なくていい」となり、「だったら株より銀行の方がいい」となり、そして「銀行預金でもペイオフ時にも保証される決済用預金がいい」となる。
決済用預金って知っているか?企業や個人が色々な支払いのために銀行に預けているお金のことだ。そのお金が銀行が破綻したとき守られないとしたら、安心して企業活動が出来なくなってくる。そこでその預金だけは、現在でも100%守られるということになっている。但し、金利は・・・・・ゼロでね。その金利ゼロの預金に個人資産が殺到している。こんな国、日本しかない。ほんとに不思議な国だニッポンは。これらも全て、日本人がリスクというものを悪いものという受け止め方をしているからである。そこで、皆さんに質問をしよう。リスクを日本語で訳すとどう訳す?

ほとんどの人が「危険性」などと訳す。「損」などと直接的に訳す人もいる。確かに辞書などにも「危険」などと出ているのだが、ここが間違っていると小生のその友人は言う。
リスクをアメリカ人が持つイメージで正しく訳すと「不確定要素」だそうだ。ありとあらゆる要因の中で、将来必ずこうなると決まっていないことをリスクと呼ぶのだ。そしてそれを資産運用の世界で使う場合、リスクとは投資した結果出てくる損益の幅のことなのだ。わかりやすく言うと、どれくらい損する可能性があるかというところから、どれくらい儲かる可能性があるかというところまでの幅こそがリスクなのだ。つまり、ここが大事だが、益の部分も含めてリスクなのである。これを貴兄、正しく認識しているかい?
つまりよく使われる『リスクとリターン』という言葉は『損と益』ではなく、『損益の変動幅とそこから計算される収益の可能性』という意味なのである。だとしたら、資産を増やそうというときに、 リスクの少ない商品ばかりを選択することはありえない。資産運用の主役は間違いなくリスク商品なのだ。

日本人が、言葉の意味を正しく理解しリスクを前向きにとらえない限り、資産運用で成功することはないだろう。そして、資産運用で成功しない日本から優れた投資家が育つことはない。そして優れた投資家が育たない限り、日本経済が世界で勝ち組になることもまたありえないのだ。うーん、これはすごく大切なことだ。金融庁よ、今こそ正しい投資教育、リスク教育が必要だぞ。
貴兄が資産運用で成功したいと思ったなら、まず、しっかりと認識しなければならない
リスクとは素晴らしいものだということを。
(H18.1.9.)
|