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必勝法発見!?


 

『 必勝法発見!?』    

  少し前テレビの深夜番組で島田紳助・松本人志がこんな会話をしていてびっくりした。
ルーレットか丁半だか忘れたが必勝法を発見したというのである。どういうものかと言うと、例えば赤なら赤が6回連続続いたら、その次に黒にかけるのである。その他の時にはかけない。それを繰り返せば絶対勝てるのだそうだ。実際にはルーレットには0とか00とかいう親の目(赤でも黒でもない目)があるのだが、それが無いとしての話だろう。島田紳助がその話を出すと松本人志が「凄いこと発見しましたね。それだったら絶対儲かりますね。」と興奮していた。この二人はお笑いの中でも頭がいい方なのではと思っていたのでがっくりした。

 発想は、赤が6回も続けたのだからもうそろそろ黒が来るだろうということである。赤が7回も続くなんてそんな可能性、極めて低い。(実際に計算すると128分の1の確率だ。)だから次は黒が出る可能性が圧倒的に高いだろうというものである。たまたま7回目も赤が出るような不運があったとしても、その作戦を何回も続ければ必ず勝ち組になれるというものだ。

 読者の中には島田紳介の話を聞いて「こりゃいい話を聞いた」という人はいないだろう。当たり前の話だが、赤が何回続けて出た後だろうが、その次に赤が出るか黒が出るかは確率2分の1であって、赤が10回続いた後でも20回続いた後でも、だからと言ってその次に黒が出る確率が高くなったりしない。でも島田伸介・松本人志は小生にこう聞いてくるだろう。「でも赤が7回続けて出る可能性は128分の1なんやろ、そんなめずらしいことがしょっちゅうあるはずないやないか。」と。でもね紳介さん、松ちゃん、赤が6回出てその次に黒が出るという確率もおんなじ128分の1なんですぞ。(笑)

 世間には色々とわけのわからない必勝法というのが出回ってるもので、丁半ばくちの絶対に勝てる方法として次のような手法が長く信じられてる。

 最初千円、丁にかける。はずれたら次は丁に2千円かける。またはずれたら次は丁に4千円かける。そうやってはずれるたびに倍々かけていく。こういうかけ方をすると1度当たっただけで今までの損を全部取り返せる。そして当たったら、その次からは再度千円からかけてゆくのである。この手法を繰り返していけば確実に儲かるというのである。島田紳助だったら、松本人志にこう言うだろう。「ええか、丁が10回も20回も続くことがあるか?ないやろ。ということは必ず10回20回やるうちに必ず勝つ。そしてそこからまたそれを繰り返していけば永久に勝ち続けれるわけや」と。

 これを読んで賢明な読者はすぐこの必勝法の落とし穴をお気づきだろうが、実はこの必勝法、長い間、本当に必勝法として語り継がれてきた話なのである。

 この話の落とし穴がどこにあるかというと、資金が無尽蔵にあるならという条件が付くということだ。(そしてもっといえば、賭けるチャンスも無制限にあるということだ。負けてる時に閉店です。などと言われたら話にならない。しかも勝ってるうちにやめるという条件まで必要になる。)

 話は少し変わる。かつて桃山時代、太閤秀吉のお伽衆にそろり新左衛門というとんちで有名な人物がいた。有名な話だが、秀吉がある日、そろりの機転に褒美をやろうということになった。その時、このそろりが答えたことが、毎日米をいただきたい。その量は今日1粒、明日2粒、あさって4粒と毎日倍ずつ1ヶ月間いただきたいというものだった。その答えを聞いて秀吉、「欲のないやつだ」と浅はかにも答えたそうだ。

 これ皆さん計算出来るだろうか?1ヶ月が31日として、1日目、1粒、2日目2粒、3日目4粒と、10日目でさえ512粒と大したことのない量が、20日目に52万4288粒となり、そこから増える増える。25日目に1677万7216粒、30日目に5億3687万0912粒、最終日には10億7374万1824粒となる。なんと31日間にもらえる米の量は21億4748万3647粒。これは米千俵以上に当たる。なんとそろり謙虚でも無欲でもなかったのである。

 さて先ほどの丁半ばくちの件、千円ずつ倍々かけていくという話、実はそろり新左衛門の話と同じなのだ。もし31回はずれ続ければ、その時に損する金額は2兆1474億8364万7000円。(気が遠くなる。笑)そしてその間にこの作戦が成功しても千円ずつしか利益は出ないのである。

 例えばこんなことを考えてほしい。ここに箱がたくさんある。それぞれの箱の中には千円ずつ入っている。但し、ひとつだけ爆弾が入っている。それをあけると死ぬ。そのたったひとつ以外は全部千円儲かるのである。こういうイベントがあったら貴方はこれはおいしい企画と参加するのだろうか? つまりこの必勝法と言われる話、実はとんでもない食わせ物なのである。

 俺はそんなよた話にひっかかるあほじゃないよとおっしゃる貴方、こんな会話をしてないだろうか?
「3日も上がってるから明日はそろそろ下がるよ」とか、「もう安いね。ここからナンピンしていけば確実に儲かるよ。倍ナンピンしていけばいいんだよ」・・・・・とか。

 正確な根拠のない話がいかにもそれらしく世間では語られている。なるほどそうやればほんとに儲かりそうだと思わせるところが落とし穴だ。そんな話にひっかからないよと思っているあなた、・・・・・・

そんなあなたが意外に簡単にひっかかるのである。ころっとね。ほんと。

(H15.5.8)

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